アクティブ・ラーニング狂走曲 第2楽章 手段と目的

第1楽章からだいぶ間が開いてしまいましたが、アクティブ・ラーニング狂走曲 第2楽章です。

アクティブ・ラーニング、面倒だからALと略すね。

これだけビッグウエーブになると、ALを意識した授業をするということは、何か全く新しいことをしなくてはならないような気持になってきます。意気揚々と「これがALの授業だ!」といって、ちょっと工夫しただけで今までと大して変わらない授業だったりすると、たとえそれが的を射た適切な工夫であっても、ギャラリー(この「ギャラリー」に生徒は含まない)にとっては拍子抜けに思えてしまいます。したがって、何か大掛かりなもの、やり方としては手の混んだものに走っていくわけです。

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たとえば、気象単元では、天気の変化を予想することは中学校学習指導要領解説には載っていないものの、いくつかの教科書でテレビや新聞、ネットからとった今日の天気図のようなリアルな情報をもとに、既習の知識や技能を活用して明日の天気を予報するような実習が紹介されています。

この実習で、教科「理科」として最も重視することは、科学的な根拠(天気図などの資料や学習した知識・技能など)を基に天気の変化の予測ができるか、ということです。極端な話、結果的に予報が外れてしまっても、十分に科学的な根拠に基づく予想だったらオッケーなはず。だって、気象庁でさえ、天気予報が外れることがあるんだし。

ところが、この手の実習では結果、つまり予報が当たったかが教師はともかく生徒の中で結構大きな評価基準になりがちです。すなわち、気象庁レベルの予報技術を以てしても、外してしまえば残念な感じになってしまいますし、下駄を投げるレベルに科学的でない予報でも当たってしまえば結果オーライということで、その予報の根拠の正否は深く検討されない、アクティブにラーンされないのが実情ではないでしょうか。こうなるとこの授業で理科として狙いたい最も本質的な部分に光が当たらなくなります。

そこに、テレビ番組っぽくやってみよう、なんて枷をつけると、アナウンサーの話し方とか、イラストでわかりやすくとかこれまた理科の本質とはかけ離れた方をアクティブにラーンしたくなるのも人情です。その結果、科学的な根拠に基づく予想という話がどっか行ってしまうわけです。

それくらいなら、ワークシートに天気図などの資料を載せて、この後天気がどうなるかを考えさせるような、従来の問題演習に近いようなやり方の方が、無駄がなくてよろしいのかもしれません。

なので天気予報の実践をする際には、そうならないように、既習事項を基に科学的根拠を以て天気の変化を推定するのがこの授業の目的だよと示し、それに基づいた評価をする必要があるでしょう。また、生徒にもきちんと天気図を解説することとか、学習した用語を入れることとか、いろいろ枷をつけておく必要があるのですが、ただ、そこまで配慮している実践はあまり見かけません。


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デジャブというか、なんかつい最近似たようなことがあったような気がしたなと思ったら、あれですよ「言語活動の充実」。やたら必要以上にホワイトボードを使う話し合いが増えたり、あまつさえディベートとかプレゼンっぽいことをやりだす事例が増えたっけ。ま、自分もやったけど(懺悔)。すみません。

  ,j;;;;;j,. ---一、 `  ―--‐、_ l;;;;;;
 {;;;;;;ゝ T辷iフ i    f'辷jァ  !i;;;;;  ホワイトボード使ったりプレゼンさせたりしないと
  ヾ;;;ハ    ノ       .::!lリ;;r゙   「言語活動の充実」にならない・・・
   `Z;i   〈.,_..,.      ノ;;;;;;;;>  そんなふうに考えていた時期が
   ,;ぇハ、 、_,.ー-、_',.    ,f゙: Y;;f.   俺にもありました
   ~''戈ヽ   `二´    r'´:::. `!


もちろんそれは悪いことじゃないんだけど、なんというのかな、そういうことをすることによって、別のことに気を取られて理科としてやりたかった本質的な部分に光が当たりにくくなるみたいなことはあるかな。

また、もし本当にそういうものを要求するとなると、「そんなこと理科でやる必要があるのか?」「国語でやればいいじゃん」という話も出てくるし、そんなの(`Д ´(#)ノ彡関係ねーといって一顧だにしない先生も出てくるでしょう。

でも、本当は「言語活動の充実」は理科に必要ないのにディベートをさせることまで求めているものではありません。そりゃそうですよね。詳しくは『理科の教育』2011年5月号の中学校理科教師のためのチェックリスト「言語活動を充実させよう」を参照と言いたいところですが、出版社に在庫はもうないようです。残念!

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でも、ALにしろ、言語活動の充実にしろ、これらは理科の目標を達成するための手段であり、それ自体が目的ではないことは確認しておきたいところですね。(今度の指導要領の中身によっては、アクティブ・ラーニングそのものをすることが目的になりそうな悪寒…)

※個人の感想です
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コメント

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No title

矢継ぎ早の教育改革に違和感を覚えて、研究してみると、天下り規制が強くなってきた時期からなんですね。
アクティブ・ラーニングも言語活動の充実もICT教育も校務支援システムも、その対策のための予算が組まれます。
関連した民間企業に金が流れます。
子どもの成長のためという、カモフラージュ着せて、真の目的は天下り先の確保なわけです。
予算減らされ、小さな省になるので、常に教育改革をやってないと。マグロみたいに泳ぎ続けないといけないんです。
生徒に学習効果がなくても、できるだけ効果があるように騒ぎ立てて、印刷会社にリーフレット作成発注、研究費、講師派遣などにも予算かけて。

No title

待ってました。第二弾!
文科省は、組織的に協働して、積極的・能動的(アクティブ)に「天下りする手法」を思考・研究(ラーニング)実践していたわけだから、まさに教育の中枢、生徒のお手本、見習うべき鏡ということなんでしょう。v-8
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