「緑色の目をしたドラゴン」 を解説してみた (中編)

一部ではハーバード大学の出す「世界で最も難しい論理パズル」とまで言われている Green-eyed dragons という問題。問題の内容と、前半の問題の解答・解説は前編に示しました。まだの方はそちらを先にご覧ください。


問1 何が起こるか。一応、白字で書いておきます。
100日後にすべてのドラゴンがスズメになってしまいます。

どういうことでしょうか。

一応、解説をしているサイトはいくつかあるのですが、基本的にまず2頭で考えて、次に3頭で考えて帰納法により一般化するパターンなのですが、2頭から3頭になるところで分からなくなる人が多いようです。

で、ちょっと別の角度から解説を試みてみます。ほかの解説では、全部のドラゴンの目が緑色というところを使っているのですが、肝心のドラゴンはその事実を知らないので、「ドラゴンがスズメになる場合はどういう場合か」という視点で考えていきたいと思います。


まず、ドラゴンたちに「あなた方のうち少なくとも一頭は緑色の目をしています」と宣言された日を、便宜上0日目(宣言から0日後)とカウントします。
ここで、「すべてのドラゴンは緑色の目をしている」という情報は忘れましょう。肝心のドラゴンたちはその事実を知らないのですから。
その上で、この0日目に緑色の目をしたドラゴンが、自分の目が緑色であることに気づくとしたら、どんな場合でしょうか。
それは、自分以外の全部のドラゴンの目が緑でなかった場合だけです。
そしてそれは、緑の目のドラゴンが1頭しかいない場合でないと起こりません。
1)緑の目をしているドラゴンは1頭はいるはずだ。
2)でも自分以外のすべてのドラゴンを見ても、緑の目のドラゴンはどこにもいない。
3)そうか、その「1頭」は自分自身か。俺の目は緑色だったんだ!
というロジックです。
もし、緑の目をしたドラゴンが2頭以上いたとしたら、そのドラゴンは「あいつが緑の目だから自分の目が緑色かどうかはわからない」とまだ確証は持てないのです。

その翌日、1日後の朝に、誰もスズメにならずドラゴンが100頭そろっていたとしたら、「緑色の目をしたドラゴンは1頭ではない」ということになります。「少なくとも1頭」という情報と合わせると、「緑色の目をしたドラゴンは少なくとも2頭いる」ということになります。
すると、この日に、ドラゴンが自分の目が緑色と気づくのは、「自分以外のドラゴンのうち、緑の目をしているのが1頭だけの場合」に限られます。すなわち、
1)緑の目をしているドラゴンは2頭はいるはずだ。
2)でも自分以外のすべてのドラゴンを見ても、1頭しか緑の目のドラゴンはいない。もう1頭いるはずだ。
3)そうか、その「もう1頭」は自分自身か。俺の目は緑色だったんだ!
というロジックです。
この場合、それに気づいた2頭のドラゴンがその夜にスズメに変わります。
でも、そうではなく、緑色の目をしたドラゴンが3頭以上いる場合は、自分の目が緑色という確証は得られないので、何も起こらずに翌日を迎えます。

翌日、すなわち「少なくとも…」といわれた2日後の朝に、まただれもスズメにならずドラゴンが全員そろっていたとしたら、「緑色の目をしたドラゴンは2頭でもない(=少なくとも3頭)」ということになります。
この日に、ドラゴンが自分の目が緑色と気づくのは、「自分以外のドラゴンのうち、緑の目をしているのが2頭だけの場合」に限られます。すなわち、
1)緑の目をしているドラゴンは3頭はいるはずだ。
2)でも自分以外のすべてのドラゴンを見ても、2頭しか緑の目のドラゴンはいない。もう1頭いるはずだ。
3)そうか、その「もう1頭」は自分自身か。俺の目は緑色だったんだ!
というロジックです。
この場合、それに気づいた3頭のドラゴンがその夜にスズメに変わります。
でも、そうではなく、緑色の目をしたドラゴンが4頭以上いる場合は、自分の目が緑色という確証は得られないので、何も起こらずに翌日を迎えます。

このように何も起こらない日が1日過ぎるごとに、確実にいるとされる緑色のドラゴンの数は1匹ずつ増えていくのです。

そして99日後、100匹のドラゴンがそれぞれ自分の目の色が緑色だったという確証を得るのです。
1)緑の目をしているドラゴンは100頭はいるはずだ。
2)でも自分以外のすべてのドラゴンを見ても、99頭しか緑の目のドラゴンはいない。もう1頭いるはずだ。
3)そうか、その「もう1頭」は自分自身か。俺の目は緑色だったんだ!
というロジックです。
というか、自分を含めて100頭しかいないのに、少なくとも100頭が緑の目だというならば、自分を含めた全員が緑の目ということになりますね。それに気づいた100頭のドラゴンがその夜にスズメに変わります。

一般化するとこう書けますね。ドラゴンの数をn頭として、

ある日、n頭のドラゴンを前に「少なくとも1頭…」と宣言されるが、すべてのドラゴンが自分以外に目の緑色のドラゴンを見つけたため、誰も自分が緑の目と気づかないまま(スズメにならないまま)、翌日を迎える。

「少なくとも…」といわれた(k-1)日後の朝に、まただれもスズメにならずドラゴンがn頭全員そろっていたとしたら、「緑色の目をしたドラゴンは(k-1)頭でもない(=少なくともk頭)」ということになります。
この日に、ドラゴンが自分の目が緑色と気づくのは、「自分以外のドラゴンのうち、緑の目をしているのが(k-1)頭だけの場合」に限られます。すなわち、
1)緑の目をしているドラゴンはk頭はいるはずだ。
2)でも自分以外のすべてのドラゴンを見ても、(k-1)頭しか緑の目のドラゴンはいない。もう1頭いるはずだ。
3)そうか、その「もう1頭」は自分自身か。俺の目は緑色だったんだ!
というロジックです。
この場合、その夜、k頭のドラゴンが一斉ににスズメに変わります。
でも、そうではなく、緑色の目をしたドラゴンがk+1頭以上いる場合は、自分の目が緑色という確証は得られないので、何も起こらずに翌日を迎えます。


これをK=2からn(島にいるドラゴンの数)まで繰り返していくのです。

n頭のドラゴンがすべて緑の目だった場合、「少なくとも…」といわれたn日後の朝、n頭のスズメの群れが見られます。100頭だったら100日後に。



しかしこの問題はもう一段深い「問題」を抱えています。

冷静に考えてみると、「あなた方のうち少なくとも一頭は緑色の目をしています」ということは、どのドラゴンもすでに知っていること。他の緑の目をしたドラゴンを見ていれば「そりゃそうだ」なわけです。

ならば、「あなた方のうち少なくとも1頭は緑色の目をしています」という外部からの宣言がなくてもドラゴンはスズメになったのではないか。宣言がどうして必要なのでしょうか。

そこが問2の本質です。
問2 もし何か変わったことが起こったとすれば、あなたがドラゴンに与えた情報はいったい何だったのでしょうか。

そこは後編で考えてみたいと思います。
関連記事

コメント

Secret

月別・カテゴリー別はこちら

ご来場者数
スポンサードリンク
リンク
キーワードでお探しします
お手紙、待ってます(はぁと)!

名前:
メール:
件名:
本文:



この人とブロともになる

QRコード
人気ブログランキングへ
明日天気にな~れ!

-天気予報コム- -FC2-
今夜の月はどんな月?
CURRENT MOON
RSSリンクの表示