【理科教育法】学外組織との連携

大学で行っている理科教育法の講義「学外組織との連携」です。

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学校が社会に対して閉鎖的であるという指摘はかつてはよく耳にするところでした。しかし、子供たちの教育は、単に学校だけでなく、学校・家庭・地域社会が、それぞれ適切な役割分担を果たしつつ、相互に連携して行われることが重要で、学校は、家庭や地域社会と連携・協力する「開かれた学校」であることが求められています。

ちなみに「開かれた学校」というのは、平成8(1996)年7月にだされた第15期の中教審(中央教育審議会)の答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」の提言から始まったみたいです。前世紀から言われていたんですね。そしてこの中教審答申は平成12(2000)年改訂の学習指導要領に大きな影響を与えるのです。

それはさておき、学校が閉鎖的だとか、「開かれた学校」という議論は主として学校運営にかかわる話ですが、理科の授業だってもちろん学校の一部です。かつては先生でない人が学校で授業をするなんてとんでもないという風潮でしたが、近年は「出前授業」でゲストティーチャーが教壇に立つことも珍しくなくなりました。


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さあそこで課題1です。理科教育を行う際に連携する相手として、どのような学校以外の組織が考えられるでしょうか。自分の経験なども思い出しながら考えてみましょう。なお、連携の形態はゲストティーチャー以外にもあるので、「こういう連携ならここがあるんじゃない」とたくさんアイデアを出してみましょう。


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はいはい、たくさん出てきましたね。
え?でもどうやって相手を見つけるかって?
こんなこともあろうかと、次のスライドを用意した。


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安全確実なのは他の先生の紹介。紹介されるってことで、紹介者の一定の評価があるわけですしおすし。
あと、案外先方から学校に案内が送られてくることも。流れに乗るのは簡単ですね。
勇気があれば「こういうことやってもらえませんか」と交渉するというのも。事前にサイトをすみずみまでチェックするのは必須ですが。でも、新規開拓は自分(教師)にとってもいいキャリアになりますよ。


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どう連携するか。

博物館などは連れて行くとなると、学校行事となってちょっと大ごと。そうすると数は限られてしまう。なので、授業などで「夏休みに行ってこい!」と課題を出すのも一つですね。

ゲストティーチャーの具体的なことについては「中学校理科教師のためのチェックリスト・ゲストティーチャーを呼ぼう(『理科の教育』2011年9月号)」が詳しいです。


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博物館で本物を見てスケールを実感したり、最前線でかかわっている人の話を聞くことでオーラを感じたり、いつもの先生ではない非日常性みたいなところって、案外生徒にとっては大きかったりします。


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ですが、相手のことは十分に調査しておきましょう。いろいろな意味で偏っていないか、必要以上に宣伝色が強くないか。また、経験はあるかなど。

それから事前の打ち合わせも重要。こちらの授業の狙いをわかってもらう必要があるし、向こうは向こうで子供たちに伝えたいことがあるかもしれない。なので一緒に授業を作り上げていくのがベスト。でもこれって時間がかかる。少なくとも授業の時間よりはきっと長いのでその点は覚悟するように。丸投げはするなよ、絶対にするなよ!

あと、こういうことに慣れていない人は校内の調整(会議に出すとか控室とか授業前後の応対とか謝礼とか)が意外に盲点になりやすいので注意。

ところで、こういう学校への出前授業を積極的にやっている団体があって、講師経験者の話を聞いたら「楽しかった」「自分の為になった」とか自分視点でしか話さない人もよく見かけます。生徒の側の視点がすっかり抜けているのはいかがなものかと。そういう講師の場合、辛らつな言い方をすれば講師の自己満足に生徒がつき合わされていることがあったりします。

誰のための教育か?子供たちのための教育と答えるべきではないでしょうか。
お宅のことですよ、[ここには某組織の名前が入りますが自主規制します]!


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ところで、内容の専門性は教師より学外組織の方々の方が一枚も二枚も上手なはずです。そもそもそうでなければ連携する必要ないですからね。ということは、その時の教師の役割は何か。それを意識しないと失業してしまいます。

失業したくない先生は、うまくコーディネートをします。子どもをこうしたいという目的を持った大きなカリキュラムがあって、それをどうやっていくかプランを立て実行していく役割です。その実行にあたって、学外組織の手を借りるのです。つまり黒幕は教師イニシアティヴは教師にあるのですね。

また、教師はテレビドラマ「世にも奇妙な物語」のタモリのポジションに似ているかもしれません。最近は特番でしかやってないみたいですが。

奇妙な世界(学習内容)の関係者ではなく、かといって視聴者(子供)でもない、両者を出合わせるストーリーテラーの役割。学外組織は奇妙な世界の舞台、といったところでしょうか。もっともこの例えは、「奇妙な世界」が学習内容のたとえだとすれば、普段の授業でも通じることかもしれません。


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質疑応答。

「先生!私の出身地はど田舎なんで、連携してくれそうな相手がいません!どうしたらいいですか?」
作戦は3つ。
(1) その地域だからこそできる特有の自然などをテーマに関係者と連携できないでしょうか。
(2) ICTを活用して、遠隔地との連携は考えてみる価値はありそうです。
(3) 連携先を全国から募集している組織があったら名乗りを上げてみよう。案外地方は有利といううわさが。例えば3件募集していて、応募が東京から10件、大阪府から5件、○○県から1件あったら、地域バランスという理由の下、東京、大阪、○○県から1件づつ採用するなんてこともあるみたいでっせ。どことは言わないけど。


「相手先を探すには人脈が必要かと思いますが、どうやって人脈を作るのですか?」
合コn…いえ、何でもありません。まず、人脈を作りたいときに陥りやすい罠ですが、異業種交流会のような人脈づくりを目的としたイベントはあんまり意味がありません。
また、SNSも「ともだち」の数は稼げるかもしれませんが、いざというときに頼りになるような「質」のある人脈は作りにくいのでは。すでにリアルでそういう関係になっている人に対し、その関係をキープするには有効かもしれませんが。それとSNSでは、お約束の個人情報の流出や怪しい人たちにからまれたり、ネット上の付き合いがめんどくさいなど、リスクを伴う点も忘れてはなりません。

「使える人脈」をつくりたいのだったら、自分自身が相手にとって「使える人脈」にならないと。私のおすすめは、一見遠回りかもしれませんが、学校内に引きこもらず、学校外でも積極的に仕事を引き受けること。そのときクオリティの高い仕事をすること。そうしていれば周囲がほおっておきませんよ。経験者は語る。


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では、まとめの意味も込めて演習。課題2を考えてみよう。
課題2 「天気とその変化」の単元の学習に関連して、気象予報士の方をゲストティーチャーに呼ぶことにした。どんなことを打ち合わせたらよいだろうか。
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